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1 Jan. 2009 (Thu.)

今日はお正月休み。
カンボジアのお正月は4月。
なので,クメール人には関係ない,お得なお休み。
帰国準備がやっと始められる!
と思ったのだけど。
どうしても!!
という音楽隊の子どもたちに負け,午前は授業をすることにした。

休みの日の音楽隊は楽しい。
他の教室に気兼ねなく太鼓が叩ける。
電子ピアノにスピーカーを繋いで大音量。
歌って弾いて踊って…
そして,校庭へ。
バスケ,バドミントン,バレー,ドッチボール♪
思いっきり遊びまくれる。

浮かれはしゃいでいる中。
6年生のマーリッが学校をやめるという話が耳に入った。
本人と話してみる。
「私はネアックルーより先に学校からいなくなるの。多分,今日で最後なの。」

マーリッは,50キロほど離れた山の中に実家がある。
その村には学校がない。
いや,あるのだけれど。
教師がいないため,2年生までしかない。
親は彼女を学校に通わせるため,シェムリアップの知り合いの家に預けた。
家族に会えるのは長期休暇のときだけ。
以前,笑顔であっさりとそんな話をしてくれたことがあった。

音楽隊の授業を休んだことが一度もないマーリッ。
大雨だろうと熱があろうと,どんなときも学校に来ていた。
その彼女が学校をやめる…。

階段に2人で腰をかけて,じっくり話を聞いてみる。
「おばさんがね,出て行けって言うの。
毎月お母さんは15ドルとお米をおばさんに払っていたんだけど…
うちは貧乏だから支払いが遅れることもあって…。
だから,1月には出て行けって。」

そうか。今日から1月だ。

「もうちょっと待ってもらうことはできないの?
だって,もう6年生じゃない!
せめて,マーリッが卒業するまで…あと8ヶ月…。」

「きっとね,おばさんが私のことを嫌いなの。
機嫌が悪いときは,すぐに私を叩こうとする。」

「おばさんの子どもの一人が同じクラスなんだけど。
その子より成績がいいこともイヤみたいなの。
その子が私のことを『貧乏人のただ飯食い』って,クラスのみんなに言いふらすの。
だから,クラスのみんなも私のことが嫌いになっちゃったの。」

「私,もう14歳なのに料理もできないの。
みんなを喜ばそうと思って,一度ご飯を作ったことがあるの。
みんな,マズイって言って食べてくれなかった。
野菜やお米を無駄にするだけだから,二度と料理をするなって。」

「お母さんが,毎月15ドルは厳しいから帰っておいで。って。
もう学校は辞めて家の手伝いをしなさい。って。」

「ネアックルー…学校に行きたいよ…。音楽隊,やめたくないよ…」

突然しゃくりあげるマーリッ。

彼女を抱きしめた。

抱きしめながらめちゃくちゃ考えた。

そして決心した。

絶対に学校を辞めさせたりしないッ!

「マーリッは,もしもネアックルーが『一緒に住もう』って言ったらどうする?
『3ヵ月間だけ待ってて』って言ったらどうする?」

びっくりしたように一瞬,私から離れた。
そして,きれいなマーリッの瞳が,おもいっきり輝いた。
涙が…喜びの涙に変わった。
「ネアックルーッッ!!!!!」
そう言って首にしがみついてきた。
しがみついて離れなかった。



年が明けた。

新しい年。

マーリッが。
ロアッタナーやバラン家のみんなが。
音楽隊のみんなが。
カンボジアの子どもたちが。
世界中の子どもたちが。
世界中の人たちが。
地球上の全ての人が…

優しさと笑顔に包まれる。


そんな年になりますように…。
[ 2010/07/09 20:47 ] 日記 2009 | TB(0) | CM(0)