家庭訪問記録より ~ 2012年 その3 ~


13才6年生のお姉ちゃんと,9才2年生の弟。
2人とも将来の夢はお医者さん。
炎天下,約2キロの超悪路を越え,毎日休まず登校している。
仲良く歩くその足に,靴はない。

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お父さんは46才,陽気でとっても素敵な笑顔をもっている。
が,ポル・ポト時代の内戦の際に大きなけがを負い,
その後遺症で仕事に就くことはできない。
少年時代に受けた脇腹の銃の後が痛々しい。
「ネアックルー,俺のお腹を見たらびっくりするぞ。」
そう笑いながら見せてくれたお腹は…
銃の球を取り除く手術が失敗したらしく
「お腹の中で腸が落っこちてしまってる」ということだ。

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お母さんは41才,カンボジアのNGOから借りているミシンで
鞄の仕立てをしてわずかな現金収入を得ている。
が,家族4人の食費には全く足りていない。
食事は大体一日1回,多くても2回,少量のご飯に塩をかけて食べることが多い。
近くに生えている草を茹でたり,子どもたちが虫を取ってきて皆で分け合っている。

ある時,お米を届けに行った際,
大喜びで駆け寄ってくるみんなの中にお父さんの姿がない。
いつもはとびっきりの笑顔で迎えてくれるのだが…。
中をのぞくと,お父さんがハンモックでぐったりしている。
「この間から熱が下がらないの。」と心配そうに話すお母さん。
デングか?マラリアか?と思ったら……お父さんの足!!
ふくらはぎがとんでもないことに。
「この間怪我をして…そしたら全然なおらないのよ。」
よく見てみても…何が何だか分からない。
ぐちゃぐちゃに化膿して恐ろしい色になっている。

「すぐ病院だ。」
その声にお父さんが反応した。
「嫌だ!」
「え??」
「注射をするんだろう?」

でた。
注射嫌い。
田舎に行けばいくほど注射嫌いの人が多い。
殆ど病院に行ったことがないからだと思うのだが…
大の大人が本気で注射を怖がる。
これは子どもより厄介だ。
絶対に嫌だと言い張って,説得するのに1時間以上かかったこともある。

ここのお父さんは15分ほど粘ったが。
「足を切り落とすのと注射とどっちがいいの!」
この一言で勝負がついた。

お父さんを車に乗せドアを閉めようとしたとき,息子が飛び込んできた。
目に涙を溜めてお父さんの腕にしがみついている。
「心配なの?一緒に行こうか?」と聞いたら,
何も答えずこっくりと頷いた。

バックミラーには深刻な顔をした親子の姿が写っている。
心配なのは足の怪我ではない。
とにかく注射が恐ろしいらしい。
2人には申し訳ないが,私は笑いをこらえるのに必死。

病院では注射を打つ時にひと悶着あったが,
足の方は問題なかった。
抗生剤の注射を打ち,薬を出してもらい,後は消毒のために通院するだけ。

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帰りの車は行く時とは全く別人のように陽気な2人だった。
生まれて初めての車。
家に着いてからは 「車に乗った」 という自慢話で興奮状態。
近所の子どもたちが集まってきた。
「通院のときはぼくも行く!」
「わたしも心配だから一緒に行く!」
と盛り上がっている。

バイクで迎えに来たらみんな怒るかな。

とりあえず,お父さんに笑顔が戻って一安心。

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 みなさまへお願いです 
 
支援者が足りていなかった9名の子どものうち,
6名分の里親の申し込みをいただきました。
あたたかな応援,心より感謝申し上げます。

現在,あと3名分の子どもの里親が必要です。
何卒ご協力をお願い申し上げます。
就学支援の詳細につきましては 『アナコット里親会』 のページをご参照ください。


Anacott_Foster Parents Club



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[ 2012/11/09 07:12 ] 里子家庭訪問記録 | TB(0) | CM(0)
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