11 Jun. 2007 (Mon)

6時出勤。
今日はシェム市内の先生方,教育局の人たち,100人以上がうちの学校に集まる。

音楽隊の早朝練習。
3部合奏にした『ポン・サバダー・クマエ』。
それぞれ,自分のパートはだいたいばっちりになっている!?
さすがッ!
土日,相当練習したに違いない。
あとは,みんなで合わせることができるか。
5年生の打楽器も加えて,1時間の練習。

本番。
ばっちり決まった。
新しい靴やネクタイをして,みんな嬉しそう。
校長先生が,音楽隊の衣装を用意してくれた。

ネクタイ→ 一本2,000リエル。
白い靴下→ 一足500リエル。
運動靴→ 一足3ドル。       ×30人分。

かなりの出費。
「衣装なんかどうでもいい」
と言う私の言葉には耳を貸さない。
少しでも日本のように,『何もかもキレイに』 したいんだと。

演奏後。
子どもたちと外に出ようとしたところ,司会の教頭先生に呼び止められる。
よくわからないけれど,表彰された。
局長に賞状をいただく。
まだ,満足のいく活動は何もしていない。
賞状に書いてある感謝の言葉を見て…気合いが入った。
もっともっと頑張ろう!

式には,教育局の人も出席。
式終了後,校長室にやってきた。

彼女は,Wat Bo小学校に対して,というか,校長先生に対して非常に批判的。
「やり手」だとか,「口が上手い」とか,「お調子者」だとか。
いつもそんなことばかり私に言う。
そのたびに,「賢い人ですから。」と,笑顔で答える。ようにしている。
カンボジアの公立小学校では,きっと一番進んでいるWat Bo小学校。
国の教育予算は微々たるもの。
それぞれの学校に当てられる援助は,年間,児童1人につき7,000R。
あとは,保護者や地域の寄付金で何とかするしかない。
児童数が多ければ,それだけ寄付金が集まる。

Wat Boを大きくして,お金をいっぱい集めて,校長先生はいい生活しているよね~。
と彼女は言う。

その発想も,分からなくはない。
大抵の学校では,寄付金は,殆どが校長先生の懐へ。
学校や,子どものために使われることはまずない。らしい。
他校では授業料や教材費と言って,個人的に子どもからお金をとる先生もいる。らしい。
公務員の給料だけでは生活できないのだから,一概にその先生たちを攻めることはできないが。

Wat Boの校長先生は違う。と私は思う。
曲がったことが嫌い。
カンボジアの,どこが間違っているのか…と,真剣に悩む。
私を捕まえては,いつもそんな話をしている。
彼が,私腹を肥やすために学校を大きくしているとは,私には思えない。
でも,彼女は校長先生のことを知らない。

校長先生がここに赴任したのは12年前。
その頃は,8クラスしかなかった。
現在は,80クラス。+最近併設された幼稚園4クラス。
彼が,必死でここまでにした。

授業時間に,きちんと授業をする先生は,カンボジアでは少ない。
この学校の先生方が,他の学校より評判がいいのは,校長先生の指導力によるもの。
カンボジアの深刻なゴミ問題。
大抵はどこの学校もゴミまみれ。
校長先生が徹底して先生方に指導してきた。
この学校がこんなにキレイなのも,彼の努力の成果。

親たちは我が子を,校区を越えてこの学校に通わせたがる。
スクールバスが12台もあるのも,そのためだ。
局は,それが気に食わない。
校区を守るべき。と。
ある学校だけが飛びぬけて良くなって,田舎の小さな学校とどんどん差がついている。と。
いい先生方を,みんなこの学校に引っ張ってしまうから,田舎にはいい先生がいなくなった。と。
自分の学校だけ大きくして,自分の学校だけ良くなればいいのか。と。

あぁ。ここでもおんなじ。
教員は,『足並みを揃える』ってのが大好きだった。
私の大嫌いなこの言葉は,大抵,『低いところに合わせる』 という意味で使われていた。
『みんなでより良いものを目指して頑張ろう!』
という発想にならないのが,どうも理解できなかった。
カンボジアでも同じ。
『出る杭は打たれる』ってことね。

校長先生は悲しそうな顔をして言う。
「自分から呼んで,子どもたちを集めているわけではない。」
「どうしても入学させてくれ,と,毎日お願いに来る親たちに,なんと言えばいいと思いますか?」
第一,なぜ,親たちは自分の子どもを,この学校に通わせたがると思いますか?」
「いい先生を集めたのではなく,育てたんだ。」
「他の学校も同様に,教員を育てるべきではないか。」 等々。

それでも,「どこの学校も,同じように良くしなくてはいけない。」
と,局の人は聞く耳を持たない。
校区,教育資金,寄付金,給料,地方の教員…等の問題。
彼に言ってもしょうがないことを,延々としゃべりまくる。
それらは校長先生の問題ではなく,政府,教育省の問題。
つまり,それを改善するために教育局があるわけで。
校長先生を攻めるのはお門違い。

口を出してみた。
「校長先生が自分の学校をより良くしようとすることに,問題がありますか?」
「もし自分に子どもがいたら,私もやっぱりWat Boに通わせたいと思いますけど。」
「校区の問題や,教員・管理職の質の問題は,局が何とかしなくてはいけない問題ですよね?」
「要するに,局としては,彼に何を望んでいるんですかねぇ?」

「・・・。校長先生には問題はないのよ!これは私たち,局の問題なのよ!」
と言うしかない彼女。

言い負かしたみたいで,後味が悪い。
ちょっときつかったか。
失敗。

日本以上に,汚職だらけのカンボジア政府。
他国から巨額の援助を受けても,なかなか国民に還元されない。

そういうところから変えていかなくては,カンボジアは前進しないのかもしれない。
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[ 2010/07/05 20:12 ] 日記 2007 | TB(0) | CM(0)
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