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12 July. 2010 (Mon.) 後編

約束の11時を回った。
母親は現れない。
電話も出ない。
「おそいね。」
ピッセインが言う。
「おそいね…。」
ピッサイが涙目で答えた。

母親がまさか11時に現れないなんて…
予測していなかった。
「よかったね,お母さんと暮らせることになって。」
だなんて。
何てうかつなことを言ってしまったのか。

12時半。
とりあえず子どもたちを家に連れて行き,食事を取らせる。
心身ともによっぽど疲れているのだろう。
食事を取りながらうとうと。
2人を寝かせ,マーリッに頼んで,私は学校へ戻る。
母親は現れない。
さすがに心配になり,サーヴェー先生に家を見てきてもらった。
そして,「家には行っていない」との連絡を受ける。
荷物をまとめに行ったのではないのか。
何か事故でも起こったのか。
まかさ逃げ出したのでは…。


昼寝から目覚めた2人をマーリッが学校に連れてきた。

17時,下校時間になった。
が,まだ母親は現れない。
2人がピアニカでキャッキャと遊んでいる。
もし母親が来なかったら。
2人に何て言えばいいのだろう…。

時間だけが過ぎていく。

19時,日が暮れた。
とりあえず家に連れて行こうか…
そう思って外を見た。
母親が歩いてくる。
やった!
戻ってきた!!

服を着替え,髪を結いなおし,こってりメイク。
「あぁ!私の息子!」と両手を広げる。
朝と同じ。
涙目で息子たちを抱きしめる。

「11時に迎えに来るはずでしたよね?
電話も繋がらなかったし…一体どこへ行っていたのですか?」
「ちょっと…迷子になって。」
「・・・・・・。」
言葉が出ない。
どんな言い訳だよ!

「子どもたちがどれだけ不安な思いをしたか…せめて電話くらいくれれば…。」
「あら,心配したの?ごめんね~。」と,子どもたちの顔をさする。
「お母さんはちょっと忙しかったの。もう大丈夫だよ。」

この母に子どもが守れるだろうか。
またすぐに子どもを捨てるのではないか。
不安がいっぱいに広がる。

どんな母でも,子どもにとってはかけがえのない母。
お腹を痛めたかけがえのない子ども。のはずである。

私にできることはない。




ピッセインが描いてくれた絵。

胸が苦しくてしょうがない。
悔しくて悔しくて。
何もできないちっぽけな自分に腹が立つ。


母の手を握り去っていった2人の小さなうしろ姿。
曲がり角のところで振り返った。
「ねあっくる~!!」
元気いっぱいの笑顔。

見えなくなるまで手を振ってくれた。



しあわせになってほしい。
絶対に絶対に。
苦しみを乗り越えて前へ進めるように。
母のいっぱいの愛に包まれることを。
希望にあふれた未来が2人を待っていることを。

心から心から願う。


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[ 2010/08/09 16:19 ] 日記 2010 | TB(0) | CM(5)